八幡図書館

   八幡図書館レファレンス事例


〔Q〕12月に桜が咲いているというニュースを見ました。ふつうの桜とはちがうのですか? 教えて下さい。

〔A〕「狂い咲き(返り咲き)」か、秋冬に花を咲かせる種類かのどちらかです。 近年、街中でよく見かける桜の多くはソメイヨシノという種類です。ソメイヨシノは秋から冬にかけて冬眠をして、春に花を咲かせるのが普通です。 冬眠には花が散った後に出てくる葉が作る“アブシン酸”という成分が必要なのですが、台風や虫などの影響で早くに葉が落ちてしまうと、アブシン酸が作られず冬芽が冬眠しないので、秋や冬に花が咲いてしまいます。これを「狂い咲き(返り咲き)」といいます。 ただ桜は種類が多く、春以外に花を咲かせるものもあります。“十月桜”や、“冬桜”、“不断桜”などがそうです。 花の付き方や花びら・葉の形、全体の様子などから桜の種類が分かれば「狂い咲き(返り咲き)」か秋冬に花を咲かせる種類かは絞り込むことができると思います。

◎参考資料
・『サクラの絵本』 勝木俊雄/編 森谷明子/絵 農山漁村文化協会 2015年 <479/カ> (12〜17頁)    
・『さくら研究ノート』 近田文弘/著 大野八生/絵 偕成社 2017年 <479/コ> (22〜25頁)
・『おもしろくてためになる桜の雑学事典』 井筒清次/著 日本実業出版社 2007年 <479.7/イ> (32、33頁)
・『さくら百科』 永田洋/編 浅田信行/編 丸善 2010年 <479.7/サ> (224〜229頁)